ランキング

JAPEX2025カバーの様相、AIで山本勉氏の展示内容解説

郵便史

外国切手カバー収集、参考事項多数。展示の写真からその内容の一部をAIにて解説。

1948年 ドイツ航空郵便の過渡期における航空ラベル使用例


1948年5月から10月の間、ドイツからアメリカ合衆国宛ての航空郵便には、
「PAR AVION / DEUTSCHE LUFTPOST」ラベルの貼付が義務付けられていた。
このラベルは単なる装飾ではなく、占領下ドイツの郵便制度において
国際郵便識別の機能を担い、切手以上の意義を持つ資料である。

1. 1948年5月21日 Bremen(ドイツ)→ Seattle(アメリカ)


・第1期料金(書状)50pf + 航空増料金100pf。合計150pf。
・26pf不足であるが、そのまま処理された。
・赤色12pf×2、青色25pf×4の計6枚貼付。
・宛名:W. H. Pompeo, 805 SW 122, Seattle, Wn.
・「PAR AVION / DEUTSCHE LUFTPOST」青ラベル貼付。

2. 1948年8月13日 Bremen(ドイツ)→ Philadelphia(アメリカ)


・第2期料金(書状)30pf + 航空増料金50pf。合計80pf。
・切手:紫色60pf(Brandenburger Tor)1枚貼付。
・宛名:Attapulgus Clay Company, 210 West Washington Square, Philadelphia 5, Pa., USA。
・航空ラベル「PAR AVION / DEUTSCHE LUFTPOST」および「TRANSATLANTIC Air Mail」印付き。

解説


1948年5月1日〜10月19日の間、この航空ラベルが貼付されない郵便物は
航空便として扱われなかった。1948年10月以降、ラベルの入手困難により
特別料金制度が廃止された。これらのカバーは、戦後ドイツ郵便制度の
過渡期を示す貴重な証拠である。



線の意味 — 速達と書留・日曜配達

1. イギリスの青の縦線:速達(別配達)のしるし No.174


1953年8月13日(イギリス)Edinburgh → Worcester

郵便料金:8½d(書状2½d + 速達6d)

・「POST OFFICE EXPRESS DELIVERY」赤ラベル貼付
・消印:EDINBURGH 13 AUG 1953
・宛名:Mrs. Barlow, 1 Hallow Park Road, Worcester
・青の縦線は速達(別配達)の指示を示す。

2. イギリスの青い十字:書留のしるし No.174


1946年12月13日(イギリス)London → Chicago(アメリカ)

郵便料金:6d(書状)+ 2½d(書留)+ 3d(航空)= 1s1½d

・「REGISTERED LETTER」青枠付き封筒
・消印:LONDON W.C.1 13 DE 46
・登録番号:R No. 249(London W.C.1)
・宛名:S.A. RYBARSKI, 2212 N. Mobile Ave, Chicago 39, U.S.A.
・左下に「Missent to Irving Park Station」印

3. ドイツの赤い×:速達(配達急)のしるし No.174


1941年9月2日(ルクセンブルク)→ Adelboden(スイス)

郵便料金(書状):25pf + 速達50pf

・消印:LUXEMBURG 2.9.41.12
・宛名:Familie Zimmülli, Adelboden, Bern Oberland
・封筒上に赤い「×」線
・ラベル「Durch Eilboten」(速達)貼付

備考:
1940.10.1 ルクセンブルク切手発行。
1941.4.1 ドイツ本国切手の併用可。

4. デンマークの青い×:日曜配達復便のしるし No.174


1936年7月11日(デンマーク)Løkken → Aarhus

郵便料金:(ハン分計)10o(通常)+ 10o(日曜配達印)

・消印:LØKKEN 11.7.36
・宛名:Fru Hochstad, Viby J., Aarhus
・封筒上に青い「×」線
・手書き「søndag brev」表記

備考:
日曜配達制度は1926年から1972年まで存在。
郵便物には「søndag brev」と記し、青線を全体に引いて「日曜配達」を示した。