Lund カバー調査、結論持ち越しデトロイトPaquebot印か

SHIP COVER

ルンドカバー調査再開。1枚はEl Paso銀行偽物カバー判明。これも同じものかと、あれこれルート検索。英国投函、船便普通便、Paquebot印は到着第一港で押されたもの。しかし切手は英国切手、消印も英国印。どこがPaquebot便か?この丸枠Paquebot印はLund, Hoskingカタログを見てもない。

米国第一港探す、英国からだと常識的にBoston,New York港。カタログになし、また過去に見たことのないマーク。到着印からイリノイ州。地名探す、デトロイト近い町。五大湖がある。五大湖内、郵便船でなく私船輸送船?ここからAI先生登場、調査開始。

鉄道でニューヨークからバッファローその後五大湖を船でデトロイトまで。ここで陸揚げ、船で運ばれた証明のためこのPaquebot印使用推定。日数計算、日付け的にも可能性あり。これ以上は時間の無駄。前のカバースミソニアン博物館に問い合わせ中。その返信待ち。推定のみでリーフ作成が終了。

日本語訳 デトロイト経由の内陸配達(推定)

(料金)英国 国際書状料金 1ペニー

(到着消印:裏面)オレゴン(イリノイ州)1909年7月5日 午前6時ジョリエット(イリノイ州)1909年7月6日 午前2時

(輸送経路)

1909年6月25日 イングランド・サリー州(リバプール経由)
→ RMS セドリック(大西洋横断、約3,100マイル)

1909年7月3日 アメリカ合衆国 ニューヨーク
→ 鉄道郵便輸送(約450マイル)

1909年7月4–5日(推定)ニューヨーク州 バッファロー
→ 五大湖汽船(デトロイト経由・推定、約550マイル)

1909年7月5日(推定) イリノイ州 シカゴ
→ 内陸鉄道輸送(約100マイル)

1909年7月5日 午前6時 イリノイ州 オレゴン
→ 内陸鉄道輸送(約90マイル)

1909年7月6日 午前2時 イリノイ州 ジョリエット

(郵便印)赤色円形パクボー(PAQUEBOT)印。米国内での通過・配達消印は裏面に押印。
このパクボー印は、米国の海港ではなく、内陸の港で私的に押印されたものである。

(郵便史的意義) 英国で船内投函された郵便が米国で正規に受理され、内陸へ配達された事例である。
大西洋横断は英国の通常郵便船便により、五大湖区間は私設船舶によって輸送された。

もう少し時間が必要、さて本物か、それとも全くの偽物か?

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1. 鉄道が存在していたにもかかわらず船を使用した理由

1909年当時、ニューヨークからシカゴまでの鉄道幹線はすでに完成していた。しかし、鉄道事故・遅延は頻発しており、特に1907年恐慌以降は設備投資の停滞により、郵便輸送の信頼性が低下していた。

外国郵便は速度よりも確実性が重視され、郵便当局は大量輸送が可能で事故率の低い五大湖航路を積極的に利用した。五大湖私汽船は貨物・旅客・郵便袋を混載し、定期運航による安定輸送を実現していた。

2. Buffalo / Cleveland → Chicago 私汽船リスト(1909年前後)

  • SS North West – Northern Steamship Company(Buffalo–Chicago)
  • SS Eastern States – Great Lakes Transit Co.(Buffalo–Chicago)
  • SS Hamonic – Great Lakes Transit(Buffalo–Chicago)
  • SS South American – Anchor Line(Buffalo–Chicago)
  • SS Northern King – Northern Steamship Company(Cleveland–Chicago)
  • SS Great Northern – Great Lakes 系(Cleveland–Chicago)
  • SS Eastern Star – 同型湖上私汽船(参考例)
  • SS City of Milwaukee – 五大湖貨客船の代表例

3. Paquebot 印の性格

本カバーに押された赤色直線『PAQUEBOT』印は、米国郵便局の公式港印ではなく、五大湖私汽船で扱われた国際郵便であることを示す補助印(Auxiliary Marking)と考えられる。郵便船(Mail Steamer)ではなく、私汽船による輸送である点が重要である。

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AIが追加情報。